大好きなグループのメンバー脱退発表が私を外に連れ出した

 渋谷すばる関ジャニ∞を脱退。本人とメンバーの口からその事実が語られたのは4月15日のことです。その翌日、私は珍しく「観光」というものに出かけました。

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 あまり観光という習慣のない私が、たまたま両親と出かけることにしていた日。それが4月16日でした。関ジャニ∞のファンであることを隠していない私に母は「また今度にする?」と声をかけましたが「いや、行くよ」と答えました。まだ青森県には到達していなかった桜前線を遡るようにして、平泉へ向かいました。

 車中で聞いた関ジャニ∞の曲。そこには当たり前に渋谷の声がある。シンプルに悲しいなと思いました。しかし発表を聞いた時から私の涙腺は機能を失いかけていて、ここから三ヶ月の間、一度も涙を流すことができませんでした。

 中尊寺に向かう途中で、おみくじを引きました。

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 だってお!!!!!!!!!!!!! 正直何が大吉やねんというメンタルでした。八つ当たりでごめんな、おみくじ。

 

 そして4月の末、私は弘前におりました。

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 私は元々かなりの出不精で、観光に行こうという話にイエスの返事をする人間ではありませんでした。しかし4月15日以降、首を縦に振ってしまうようになったのです。なぜなのかは自分でもよくわかりませんでした。ただ、知らない場所に出かけて綺麗なものを見ると、何かを取り戻せるような気がしました。

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 7月14日から7月16日の朝にかけては、関ジャニ∞のコンサートのため北海道へと足をのばしました。これは元々行く予定だったものなので「何かを取り戻す」というようなぼんやりしたものではなく「新しい彼らを見届ける」という明確な意識を持って臨みました。

 北海道への遠征はフェリーを使っています。安価で寝ている間に移動できるという点が気に入っている移動手段です。しかも運がよければ朝日も見れる。しかし15日の朝は生憎の天気で、日の出時間に起きてはみたものの、灰色の空と海しか拝めませんでした。

 以前の記事にも書きましたが、コンサートを見終えた15日の夜、流れ星を見ました。

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 カメラの液晶の中をフッと流れたそれに、願い事を言う間などなく。それでも何か意味がある、きっと、そう思いたかった。

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 7月16日の朝日は少し腹立たしいくらいに綺麗でした。「金曜ロードショーの色だ」って思っちゃった。流れ星と朝日を見れたことに何か意味はあるのかな、あると思いたいな、生きていくためにはそういう思い込みも必要でしょ。そんなことを考えながら、フェリーを降りた足で仕事に向かった。

 

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 これは田舎館村の田んぼアート。このへんになってくると観光慣れし始めています。平泉の頃はまだ観光ビギナーだったのに。とりあえずトイレは行きたくなる前に行けの精神。

 これは9月の末に撮った写真なので、稲が青々としている時よりも絵柄が少し見づらくなっています。やはり見頃は7月中旬~8月中旬のよう。展望台から降りる階段には、田んぼアートの歴史などが展示されています。真田丸の年も見てみたかったなあ。

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 地上から見るとこんな感じ。絵柄を決めてパソコンで計算し、それを元に杭を打ち、紐を張り巡らせて田植えをするのだとか。

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 さっきのとは別の場所にも会場がありました。展望台から降りる階段に「大間の休日」なんてパロディポスターが貼ってあったり。ちなみに二つの会場はだいぶ離れているので、自家用車もしくはシャトルバスの利用をおすすめします。

 

 そして五所川原市立佞武多の館。

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 有料の展示室に入って驚く。思った以上に大きい。どのくらいかっていうと、

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 足下に人がいますよね。これと比べると、ええもう、えらいこっちゃです。見上げてると首が痛くなります。ぶっちゃけナメてました。申し訳ございませんでした。

 骨組みを作って紙を貼り、色つけをして…って手順はわかるけど規模がとんでもない。展示室には山車を囲むようにして通路があり、これまでの歴史、制作手順なんかも紹介されています。祭りの当日にはその通路が跳ね橋のように動き、更にはとんでもない高さの壁が開き、そして出陣していくのだそうです。思わず「秘密基地じゃん…」と口走ってしまいました。

 

 十和田湖

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 遊覧船に乗ってると、思わず遊歩道の人たちに手を振っちゃいますね。大きく振り返してくれて嬉しかった。

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 八甲田の地獄沼。まんじゅうふかしは油断してると足がめちゃくちゃ熱いところに当たる。

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 城ヶ倉大橋からの景色。

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 橋の上からズ~~~~~~ムしてここまで撮れるの中古12KのコンデジのわりにすごいねCanon SX610HS。この記事でも併用してるZenFone5は綺麗に撮れるけど時々色みがわざとらしくなるし、ズーム機能も限度がある。両方とも大事に使おう…(と書いたそばから片方落として片方ぶつけた)。

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 十和田の蔦沼はまだ紅葉が始まりかけだったので、手前の木々とせせらぎの方に惹かれました。いやでもこれ染まりきったらそうとう綺麗ですよね。リベンジしたい。

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 4月から今日まで、綺麗な景色をたくさん見て、仕事して、綺麗な景色をたくさん見て、仕事して…そうして暮らしてきました。寂しさ悲しさは消えていく。なんでもない素人の写真をパチパチと撮影して、デジカメの容量をパンパンにして。

 雑誌、テレビ、コンサート。どの場でも人数を数えてしまいました。6人、ああ、6人だ…って勝手に悲しくなって。消えていたはずのものが戻ってくる。知ってるんですよ、脱退したの。わかってるんですよ、戻ってこないの。なんですけど、探してしまっていた。それなのに、私は先日6人の関ジャニ∞に「しっくりくる」という感覚を覚えてしまいました。そのことに気づいて「まだ忘れたくない、消したくない」と嘆く。寂しさ悲しさを消したくて、あちこちに足を運んでいたはずなのになあ。なんて勝手なやつだろう。どの景色にも渋谷すばるがいないことに、慣れたくはないのだ。

 休日は家にいるのが当たり前だった私は、そこそこ出歩くようになりました。少しでも見たいと思ったものは、見ておかなければ後悔する、と思い知ったのかもしれません。遠出して綺麗なものを見るのも悪くない。好きなグループのメンバー脱退で、そう思うとは予想してませんでしたけど、そして現場増やす方向じゃねえんかよって感じだけど。

 自担こと安田章大さんが公開した写真に写る、頭の手術跡。「命に別状はない」がいつまでも続くわけじゃない。誰にだって「いつか」はきっとやってくる。死ぬ時に後悔しないなんて無理なので、せめて「たくさんいいもの見たな」って思いたい。その見たいものたちの中には、渋谷すばるさんのことも含まれています。姿を見られたらいいな。歌声を聞けたらいいな。作る音楽に圧倒されたいな。今はそう思うのです。いつかが叶うかどうかはわからないけど、これが「いつか」であるうちの願いは自由だと思うから。いいよね! だめなら言ってよね!!

 

 以上、まとまりのない春夏秋の観光と思考の記録でした。