「ジャニーズのコンサート」とは、何が楽しいのか

はじめに

 ネット界隈で時々見かける「女って何が楽しくてジャニーズのコンサート行くの」的な文章、普段はハイハイと受け流しておりました。ところが先日見かけた時に「何が楽しいんだろ?」と心のどこかに引っかかってしまい、自分なりに真面目に考えることに。

 最近は関ジャニ∞にしか通ってないのでそこに関する言及が多いし、個人的すぎる楽しみが多いけど、書いてみた。長いよ。

 ちなみに書いてる人はジャニオタ歴11年、関ジャニ∞安田章大担です。コンサートに行く機会のあったグループは「KAT-TUN「嵐」「NEWS」「ジャニーズJr.*1」「関ジャニ∞」くらい。

 

楽しさ1 存在を確認する

 好きな芸能人を初めて肉眼で見た時に「実在した…!」と言ってしまう人は一定数存在すると思う。私もそうだった。その思いを抱いた対象は自担ではなく、山Pだ。山下智久だ。当時6人のNEWSの中では小山慶一郎が一番好きだったのに「実在する山P」という現象のインパクトは恐ろしいものなのである。心のどこかで「3Dアイドルか何かなんじゃねえの」と思っていた山Pは実在した。テレビの中で見ている美しい者の存在を肉眼で確かめる、というのは物凄く興奮させられる楽しい行為でした。あの特徴的な死んだ目も、思ったより輝いていた。

 実際した山Pを語る言葉はたくさん出てくるけれど、自担を初めて見たときには「うわ動いてる生きてる脚短ぇ!かわいい!かわ、かわっ!か!」と、どんどん脳内のボキャブラリーが死んでいく状態になった。

 

楽しさ2 楽曲と演出の多様性

 ガチャついたうるさい曲のイメージが強いであろう関ジャニ∞ですが、カップリングやアルバム曲になるとジャンルが広がります。事務所の力とバンドスタイルがあるので、提供される曲と自分たちで演奏できる曲に幅があるんですね。ダンスとバンドのバランスを取りつつ、色々な曲を聞かせてくれます。

 バンドをやらないグループも必ず「えっ、このグループがこんな曲をやるのか」と驚かせてくれます。KAT-TUNの「TEN-G」とかキスマイの「Kis-My-Calling!」とか、初めて聞いた時には驚いた。*2オラオラ系の兄さん達がおちゃらける、っていうわかりやすいギャップ売りがあからさまでよい。「俺らおもろい関西人!」ってノリの関ジャニ∞がかっこつけた時のギャップもよい。

 曲のジャンルが広くなるということは、それに合わせた演出も多様化するということです。火柱ドーン、噴水ブシャー、空中を飛ぶジャニタレ。デビュー会見がレコード会社の屋上だった人たちがこんなにお金をかけてもらえるようになって、という点でも味わい深い気持ちになります。

 

楽しさ3 その現場にしかない要素

 関ジャニ∞のコンサートにはコントコーナーがあります。決まった台本があり、それをもとにお話が展開していきます。「AとBというキャラが喧嘩をし、Cが仲裁する」というお話なのですが、ある公演で突然、役柄の交換という事件が起こりました。各々が演じるキャラクターはそのままに「AとCが喧嘩をしてBが仲裁をする」というお話に切り替わったのです。コントは本筋に沿いながらもほぼアドリブのまま進行していきました。はっきり言ってグズグズだったけど、完成度は低いけど、そりゃあもう楽しかった。ちなみにこの公演は映像化されていない。

 MCの中で「俺、あの曲のあのパート歌ってみたいんやけど!」という話になればその公演中だけパートを交換してみたり。そういう「その現場でしかやらないこと」は、会場で楽しむのが一番楽しい。

 

楽しさ4 周りにいる人

 ジャニーズにはだいたいグループごとに「メンバーカラー」が存在していて、関ジャニ∞は特にそれを重視しているグループだ。彼らがメンバーカラーを押し出しまくった結果、コンサート会場は非常にカラフルになりました。自担色のワンピースを着たジャニオタ、ツアーTシャツに自担色のパニエをはいたジャニオタ、アホみたいに暑いのにエイトレンジャーのつなぎ*3を着たジャニオタ。黒・赤・紫・橙・青・黄・緑の七色が東京ドームの客席全体に散らばっている。目が疲れる。それが楽しい。女子ドルの現場では法被の色なんかでこういう気持ちになれるのだろうか、と考えたりもする。

 席が隣になった人に「もし途中でそっちにはみ出していたら指摘してやってください」と声をかける。「はい!私にも遠慮せず言ってやってください!」と返された。そのままお互いに誰担なのかという会話が始まり、終演後に自担色の銀テープを譲り合った。

「好きやねん、大阪」のサビの振りつけ、メンバー本人がやるのはもちろんかわいい。でも、ジャニオタがやるのだってかわいらしい。あの曲の時に席から会場を振り返るのが、見おろすのが好きだ。みんな笑顔でかわいい振りつけで踊ってる。これが嫌いな人もいるだろう、けど私はこれが好きだ、といつも思う。そんな現場でのひそかな楽しみ。

 

書いてみて思うこと

「ジャニオタの楽しみは自担に見てもらうこと」って言ってた増田*4がいたけど、私にはそういう楽しみはないのだなと思う。自担がこっちを見たらギャッとなって手を振るけど、脳内は「動いた!あっ、このへん見てるよかわいいなあ!」というようなもので、私を見てくれた!という喜びでは満ちていない。たぶん、甥っ子が歩くのを初めて見た時の気持ちに近い。

 同類とコンサートに入ることもあれば、自担に見られたいなあってノリの子と入ることもある。そういう違いも面白いのかもしれない。

 

おわりに、楽しくないことあるいは悲しいこと

  • 「これは!これは踊る曲だな!期待しかない!」と思った曲がトロッコに乗って移動するだけのパフォーマンスで終わったこと
  • 退場後、人ごみのあちこちから「帰りたくない」「現実いやだ」「もう私ここに住むわ…」と聞こえてくること
  • 背の高いセットや機材などで視界が遮られてしまいステージが見えないこと
  • アンコールで村上信五がタオルをかぶっていること*5
  • 錦戸亮がキャップをかぶっていること
  • トロッコに乗ってきた山Pが私には力一杯、隣のかわいい子にはとても優しい羽毛のようなハイタッチをしたこと
  • 会場でイヤリングを落としたこと
  • 手作りうちわの文字が剥がれてきて手で押さえながら持ったこと
  • 仙台のホテルで加藤成亮のうちわを紛失したこと

 

以上です。

*1:内博貴復帰コンサートのみ

*2:後者は現場では見てないけど。

*3:長袖長ズボン

*4:貴久ではない

*5:十周年記念アンケートでフルボッコだったせいか最近あんまりかぶってません。